安価な日本の診療報酬―海外の保険会社は日本に黒船となって現れる
安価な日本の診療報酬―海外の保険会社は日本に黒船となって現れる日本の医療は国際競争力があるんですね。
安価な日本の診療報酬
海外の保険会社は日本に黒船となって現れる
北海道大学大学院医学研究科(公衆衛生学)
江原 朗
(日医雑誌第137巻・第7号/2008年10月 p1498)
http://pediatrics.news.coocan.jp/my_paper/nichii2008_102.pdf
いわゆる盲腸炎(急性虫垂炎)による入院にかかる費用は,日本では40 万円程度(自己負担3 割では10 万円強)1)であるのに対して,ホノルルでは232 万円,ニューヨークでは195 万円と5 倍前後となる.また,香港でも91 万円,ソウルでも65 万円であるとのことである2).
アメリカをはじめ,欧米諸国では医療費が高い.このため,メキシコ,カナダ,インド,タイ,マレーシア,シンガポールなどに渡航して治療を受けるメディカルツーリズムが盛んになっている.2006 年に医療サービスを求めてアジアを訪れた外国人旅行者は180万人に達したと『平成19 年版通商白書』は述べている.
“World Health Report 2000”(WHO)は,日本の医療制度が世界で最も優れていると報じている.しかし,診療報酬の低さからか,日本の民間医療機関では,公立病院の68.7%が赤字である[総務省自治財政局編:地方公営企業年鑑(第53 集,平成17 年4 月1 日〜平成18 年3 月31 日)].また,平成19 年,民間医療機関でも損益分岐点が95% にまで迫っており3),5% の収入の低下で赤字に転落する状況にある.
安価で精度の高い日本の医療を海外の保険会社はどうみるだろうか.国際競争力のある商品と映るはずである.さらに,保険診療を行っている病院が赤字であえいでおり,売りに出されている所も少なくはない.したがって,海外の保険会社は,日本の病院を買収ないしは債権の引き受けを行って経営に関与し,こうした施設において,自社の保険に加入している患者の治療を行えば,支払うコストを軽減することができる.
近い将来,外国資本が日本国内の病院を経営し,外国人患者をも対象とした自由診療を行う時代が来ると思われる.もちろん,日本人医師を雇用することにはなろう.しかし,医師養成には多額の税金が投じられている.こうした税金が,外国人患者の治療のために使われることになるのである.
今後,日本の医療政策を考えるうえで選択が求められる.増税して診療報酬を引き上げ,現在の医療体制を守るのか.あるいは,財政の健全化のために診療報酬を引き下げ,結果的に病院経営を自由診療にシフトさせていくのか.国民,政策決定者の責任は重い.
文 献
1)全日本病院協会:診療アウトカム評価.
http://www.ajha.or.jp/outcome/bunseki_7_2004_07_09.html
2)AIU 保険会社:海外での盲腸手術の総費用.
http://web.aiu.co.jp/ota/mocho.htm
3)日本医師会:2008(平成20)年度診療報酬改定に向けて.
http://www.med.or.jp/teireikaiken/20071030_1.pdf
医療システムは土着のものだからそのような発想はなかったでしょうけど、考え方を変えればお客さんを外国から連れてくればいいわけですから。外国に医師が行かなくても、患者さんを輸入して自由診療を行えば、十分経営が可能でしょう。費用さえまかなえれば通訳でも介護士でも何人でも雇えますからね(^^)

Comments
確か英国のご婦人がフランスで治療を受けたのかな、その逆だったかも。
たぶん、本国の治療が待ちきれなくって、他国で治療費してきたって話。
あー、でも保険診療ではなくて、全額自費の自由診療なら問題がないんでしょうね。
でも、同じ医療を受けて自国民は保険診療、他国民は自費診療となると、また問題が持ち上がるかも。
インドあたりで心臓のバイパス手術(CABG)を受けたアメリカ人男性は、飛行機使ってインドに行ったほうが、アメリカでCABG受けるより安く済んだって喜んでた、っていう談話もありました。
日本の病院、全額自費の自由診療患者を優先させて、保険診療の患者は受け付けませーん、とか保険診療は待ち時間3ヶ月でーす、になっちゃうのかね。