1年も議論してまだ足らないの
宙に浮く「患者の願い」 呼吸器外し、議論1年 「表層深層」倫理委が異例の提言 (5)昨日の続きです。患者支援団体の危惧はいたいほどわかります。しかし、亀田の患者さんはそれを知っていて、なおかつ人工呼吸器によって生かされることは望まないと言っているわけで、家族と医療機関側が了解し納得すれば呼吸器を停止することに問題はないはずです。むしろ問題があるとすれば、第三者が反対することにより患者の意思がないがしろにされることでありましょう。
患者本人の意思によって人工呼吸器を外すことは許されるのか―。難病患者の要望書を検討した亀田総合病院(千葉県鴨川市)倫理委員会は約1年をかけた議論の末、意思尊重の結論に達した。だが外すことを社会的に容認すれば「立場の弱い患者が死に追い込まれる」との反対論は強く、治療停止はどこから違法なのかを定めた法律や指針もない。宙に浮いた1人の患者の願いは、難しい問いを投げかけている。
▽暗闇への恐怖
昼下がり。難病の筋萎縮(いしゅく)性側索硬化症(ALS)を患う男性(68)にとって、千葉県内の自宅のベッドでパソコンに向かうのが楽しみだ。手足は動かせないが、かすかなほおの動きで操作する。
呼吸器をつけて16年余り。患者の思いを知ってほしいと、日常をつづった文章が2冊の本になった。メールで近況を知らせ合う患者仲間もいる。男性は「今は幸せ」と言うが、病状が進んでほおの動きが止まり、まぶたが開かなくなる日が来るのを恐れている。
「闇夜の世界に身を置き、蚊やハエに襲われても人を呼ぶこともできないのは耐えられない。意思疎通ができなくなったら呼吸器を外して」
パソコンでつづった9枚の要望書を昨年5月、在宅診療サービスを受ける亀田総合病院に提出した。思いを理解する妻と子供3人も押印した。
▽選択
亀田総合病院の倫理委は昨年春、患者代表ら外部委員3人も加わって発足。男性の要望が最初の中心議題だった。
昨年策定された国の終末期医療の指針は「患者意思が最重要」と明記したが、死期の迫ったがん患者や救急患者らへの対応が議論の中心だった。死が目前に迫ったとはいえないALS患者の「意思」をめぐり、倫理委の議論は白熱した。
「誰が呼吸器を外すのか」「命を左右していいのか」。最終的に意思を尊重するとしたのは「患者が苦痛から逃れたいのではなく、生き方の選択として願っているのが伝わったから」と田中美千裕(たなか・みちひろ)委員長は話す。
倫理委は、生命倫理が専門の浅井篤(あさい・あつし)熊本大教授らにも意見を求めた。浅井教授は「患者と家族が熟慮の上で呼吸器を拒むなら、医師はその処置を続ける権利も義務もない。患者の自己決定に従った医師が罪に問われないよう、法的に明記する必要がある」と主張する。
▽懸念
これに対し、ALS患者を支援する特定非営利活動法人「さくら会」理事の川口有美子(かわぐち・ゆみこ)さん(45)は「周囲の都合で呼吸器が外されかねない」と強く反対する。
ALS患者だった川口さんの母は昨年9月に71歳で亡くなるまで約8年間、意思疎通ができない状態で呼吸器をつけて在宅療養していた。枕元で川口さんが思い出話を語りかけると、涙を流すこともあったという。
「呼吸器外しを認めれば、そうした患者や意思疎通のできない障害者らに差別と圧力を生む」と川口さんは懸念する。
ALS患者が呼吸器をつければ、たん吸引などで24時間介護が必要となる。介護保険や福祉サービスで24時間の在宅介護を提供する自治体は少なく、家族の重荷になるまいと呼吸器をつけない患者もいる。
川口さんは「自治体の財政難や社会保障費削減の流れで、介護環境は悪くなる一方。呼吸器を外す議論より、治療法の開発と生きたい患者が生きられる社会にする方が先」と訴えている。
更新:2008/10/08 00:00 共同通信社
また、現実に誰が止めるかという問題もあります。医師はそういう操作はしたくないでしょう。たとえばタイマーをセットしておいて電源を切り替えて、ある時間に機械的に電源を切るという方法もありますが。(タイマーセットする人と電源を切り替える人を別人にすれば責任を感じる度合いが軽くなると言う意味)あまりに形式的かも知れませんけど。
また現状では、法的に許されることかどうかという問題はグレーゾーンです。ただこの事例では、本人の意思表示があり倫理委員会が容認しており、ご家族が全員納得してるようなので、法的に問題になる部分は少ないと思われます。現時点でその決断が迫られているわけではありませんが、その時が来るまでに迅速な議論が望まれるところでしょう。既に倫理委員会で1年の時をかけてるのですから。
また現状では、法的に許されることかどうかという問題はグレーゾーンです。ただこの事例では、本人の意思表示があり倫理委員会が容認しており、ご家族が全員納得してるようなので、法的に問題になる部分は少ないと思われます。現時点でその決断が迫られているわけではありませんが、その時が来るまでに迅速な議論が望まれるところでしょう。既に倫理委員会で1年の時をかけてるのですから。

Comments
患者団体などの第三者が介入しないような、自己決定権を見守るためのフェアな判定が出来る仕組みがあると良いのですが。
一般的にopt in方式か、opt out方式の2通りです。
opt out方式は、文書でも保健省へのドナー拒否登録、あるいは口頭でも、生前に患者がドナーになることを拒否している場合以外は場合、脳死になった時に家族や無うちの反対があっても、ドナー臓器を取り出せるシステム。
患者の意思を優先させるやり方です。
スペイン、ベルギーなどの欧州の国が採用しています。
opy in方式だったイギリスなども、この方式に変更の予定です。
opt in方式は、患者がドナー登録をしたり、ドナーカードを持っていたり、口頭あるいは文書でドナーになることを承諾している場合は、臓器を取りf出せるシステム。
オランダなどの欧州各国が採用しています。
こちらも患者の意思を尊重するやり方です。
今回のALSの患者の意思を最優先するなら、人口呼吸器をはずすべきでしょう。
欧州なら、はずします。